夏場の果物というイメージが強いぶどうですが、赤ちゃんに離乳食として与えても良いのでしょうか?
外皮をむいて中の種(あれば)を取るのは分かるけど、アレルギーや消化について心配・・・。
喉に詰まったりしないだろうか?
いつからどのくらいの量を与えれば?
食べさせたら下痢や嘔吐をしてしまった!
など、色々な疑問や不安をお持ちのママさんもおられると思います。
今日はそんな心配を解決するために、ぶどうについて徹底的に調査してきました!
私の集めた情報がママさんと赤ちゃんの役に立てば幸いです。
目次
赤ちゃんにぶどうはいつからどのように?
ぶどうは通常、生後5~6ヶ月頃の離乳食初期(ゴックン期)から与えても大丈夫です。
房から切り離して外皮と種を取り除き、スプーンやフォークで食べさせやすい大きさにつぶします。
巨峰やピオーネといった1粒1粒が大きなものは、丸ごと与えると「喉詰め・窒息」の危険性があります。
デラウェアなどの小さなぶどうでも包丁でみじん切りにするか、裏ごししてあげましょう。
赤ちゃんが食べてくれない場合には?
ぶどうの果肉が赤ちゃんの口に合わない場合には、実をつぶして絞って果汁だけを与えてみましょう。
または、ベビーダノンや砂糖不使用のプレーンヨーグルトに混ぜるのもおススメです。
酸味が薄まったり、舌触りが良くなって食べやすくなります。
ちなみにこんなヨーグルトです。
それから、赤ちゃんには加熱してからの方が良いのでは?とお考えの方もおられると思います。
基本的に赤ちゃんに与える果物について加熱は不要ですが、メリットはいくつかあります。
- 果物によっては甘味が増す
- 柔らかくなるのでお腹に優しい(消化に良い)
- 食中毒の予防(熱で殺菌される)
- 温めることでお腹が冷えるのを防ぐ
- アレルギーが出にくくなる
果物の多くは加熱により酸味が抑えられて甘味が増すほか、全体的に柔らかくなるので赤ちゃんにとっても食べやすくなります。
それから私たち大人と比べると赤ちゃんはまだまだ菌に対する抵抗力が少ないものです。
まな板や包丁、果物自体に付着している雑菌を除去するためにも加熱は有効です。
アレルギーについては下の項目で詳しく説明しますが、加熱されたものと比べて非加熱の方がアレルゲンになりやすい場合があります。
これはアレルギーを引き起こす原因となるタンパク質が熱によって変化することによります。
そのため、加熱されているジャムやジュースなら大丈夫でも、生で食べたらアレルギーが出たというケースもあります。
このように、上で挙げたような点が心配に思われる方には食前の加熱をおススメします。
デメリットとしてはぶどうに含まれているビタミン類が減少したり、もともとの風味が損なわれることが考えられます。
ぶどうは離乳食には向いているの?
はじめに結論を言いますと、季節的に夏場にはなりますがぶどうは離乳食として優れた果物なのです。
まずは消化に関することですが、下記の点からもお腹に優しい(消化に良い)ことが分かります。
- 消化時間が早い
- 食物繊維が少ない
- 酸味が弱い
ぶどうの消化時間は果物の中でも早い方で、約30分程度ともいわれています。
最速であるスイカやメロンには及びませんが、その次に早いグループに入っています。
体内にとどまる時間が短いということは、それだけ胃腸への負担も軽いということになります。
参考までにリンゴの消化時間は約1時間、バナナは2時間くらいかかります。
次に食物繊維(特に不溶性)についてですが、これは少ない方が消化に良いとされています。
実際、生のぶどう100グラムに含まれているのは、わずか0.5グラムとなっています。
同じく100グラムで比較するとリンゴで1.5グラム、バナナは1.1グラムです。
それからよく熟れたぶどうは甘味も強く、酸味が少なくなります。
オレンジやキウイといった「やや酸っぱい果物」と比べても、お腹への刺激が少なく食べさせやすいという特徴があります。
栄養面についてはそこまで突出してはいないものの、ビタミンB1やB6、ミネラルではカリウムや銅などをバランス良く含んでいます。
そのためか、ヨーロッパでは『畑のミルク』とも呼ばれています。
他にリンゴやバナナといった離乳食に適した果物はありますが、夏場にしか食べられないという点でぶどうはおススメです。
食べ過ぎるとどうなるの?
次にぶどうの分量について説明します。
赤ちゃんに初めて食べさせる場合(果汁でも)、まずはスプーン1杯からスタートしましょう。
何ともなければ日を追って様子を見つつ、少しずつ量を増やしていく方が無難です。
どんどん食べるからといって一度に大量に食べさせるのは控えましょう。
上の項目でぶどうは消化に良いと書きましたが、それでも限度があり食べ過ぎると消化不良で下痢をしたり、いつもよりお腹がゆるくなったりします。
参考までに赤ちゃんの月齢別にみたぶどうの分量を紹介しておきます。
私の勤務先におられる小児科の先生と、管理栄養士の方に適量を聞いてきました。
(※単位は1日あたりです)
- 5ヶ月~6ヶ月(ゴックン期)・・・1~2粒(約15グラム)
- 7ヶ月~8ヶ月(モグモグ期)・・・2~3粒(約25グラム)
- 9ヶ月~10ヶ月(カミカミ期)・・・3~4粒(約35グラム)
- 11ヶ月~1歳(パクパク期)・・・4~5粒(約45グラム)
上記の1粒は「普通サイズの巨峰」で計算しています。
小粒なデラウェアなどの場合には上の参考粒数の3倍か4倍くらいが良いでしょう。
果汁に関しても上のグラム数が適量ですが、原液が濃過ぎると思われたら「湯冷まし」で少し薄めて与えましょう。
ちなみに赤ちゃんの離乳食の内容や分量、食後の変化の有無などをカレンダーに書き込んでいくと、後から確認できるので便利です。
ぶどうでアレルギーは出るの?
ここではぶどうのアレルギーについて説明します。
実は果物に限らず、どんな食べ物でも少なからずアレルギーの可能性があります。
政府の機関から発表されている資料によると、最もアレルギーが起こりやすいとされている20品目(そのうち果物は5品目)には含まれていません。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
しかしながら、先述したように絶対大丈夫という訳ではありません。
症状としては『口腔アレルギー症候群』といって、特定の食品を食べた直後に口の周辺や舌、唇が赤く腫れたりする場合があります。
個人差によりますが、まれに嘔吐や下痢、全身に蕁麻疹(じんましん)、呼吸困難といった重症になるケースも報告されています。
食後1時間程度は赤ちゃんの口周りや、お腹の調子に変化が無いか気にしておきましょう。
もしも、ぶどうで赤ちゃんにアレルギー反応が出た場合には、
- リンゴ
- 桃
- バナナ
- オレンジ
- キウイフルーツ
などでも同様のアレルギーが出る場合があります。
また、ぶどうに限らず何でも初めての食品を口にする場合には「平日の午前中が良い」といわれています。
それは、もし重大なアレルギー反応などが出た場合すぐに病院に駆け込めるからです。
これが日曜祝日の夜などでしたら、診てくれる病院も限定されてしまいます。
赤ちゃんの万一に備えておくという観点で、頭に入れておきましょう。
もし下痢や嘔吐をしてしまったら?
ぶどうを食べてから急にお腹がゆるくなったり、吐き戻してしまった場合にはすぐに食べさせるのをやめて他の症状(発熱や呼吸困難など)がないか確認しましょう。
下痢や嘔吐だけの場合でも原因は
- ぶどうの食物アレルギー
- 食べ過ぎによる消化不良
- 生食によりお腹が冷えた
- 胃が受け付けなかった
- 食中毒やその他の原因
というようにいくつか考えられます。
口の周りが赤くなったりするなどの症状が出ればアレルギーの可能性が高いのですが、下痢や嘔吐だけでは原因が特定しにくいのです。
そのため、食べさせる分量や与え方(調理方法など)に再検討が必要な場合もあります。
下痢や嘔吐の状態が続いたり、赤ちゃんに元気がないなどの場合には小児科を受診しましょう。
気になる方にはパッチテストなどのアレルギー検査をされることをおススメします。
少し余談ですが、ベビーグッズ全般としてはこちらもおススメです。
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まとめと私の体験談
このように与え始める時期やアレルギーについて調べていると、注意点も色々出てきました。
少し気をつければ済むものも多いので、あまり固く考えずに要点だけ押さえておきましょう。
それでは最後にまとめとなりますが
- 生後5~6ヶ月くらいの離乳食初期から
- すりつぶすか裏ごしして食べやすく
- 生が不安な場合には加熱して
- 最初はスプーン1杯から
- 食後のアレルギーにも気を付けて
といったところでしょうか。
私の2人の娘は1月と2月生まれで、離乳食を開始したのが7月と8月でした。
時期的にちょうどぶどうのシーズンだったため、少しずつ与えていました。
巨峰など皮の黒いぶどうよりもマスカットの方が甘いせいか、食べっぷりが良かったのを覚えています。