夏の京料理には欠かせない食材の1つでもあるハモ(鱧)ですが、赤ちゃんの離乳食にはどうなのでしょうか?
先日スーパーの鮮魚コーナーで湯引きのハモを見かけ、ふとこんな疑問が頭に浮かんできました。
- 赤ちゃんにハモはいつからOK?
- アレルギーになる心配は?
- 小骨が多そうだけど離乳食には?
などなど・・・私と同じような疑問や不安をお持ちの方もおられると思います。
今日はそんな皆さんの心配を解決するため、ハモについて徹底的に調査してきました。
日頃の育児でお忙しい皆さんの知識の足しになれば幸いです。
赤ちゃんにハモはいつ頃から?
私が調べたところ「ハモは〇歳から大丈夫」というように、はっきり明記されている資料は見つかりませんでした。
鯛やヒラメと同じ白身魚ではあるものの、身には脂質がやや多く栄養面ではウナギやアナゴに近いとされています。
そのため離乳食の初期からそれほど向いているとは言えず、生後11ヶ月~1歳の離乳食完了期辺りからが無難ではないでしょうか。
皆さんご存知の通りハモには小骨が多く、「骨切り」という独特の調理技術が必要となります。
お店で出されたものなら基本的に問題なさそうですが、ご自身で下処理をするには慣れていないと難しいと思われます。
赤ちゃんにハモはどのように?
では次にハモの食べさせ方について見ていきましょう。
ハモを使った料理の一例としては
- 湯引き(ちり、落とし)
- 天ぷら、から揚げ
- 白焼き、蒲焼き(照り焼き)
- 吸い物、ぼたんハモ
- 煮付け、ハモすき
というように「焼く・煮る・揚げる」など様々なメニューがあります。
しかし、上記の中で小さな赤ちゃんでも食べられるものは限られています。
実際には食べさせる子の月齢や年齢に関わってきますが、味の濃い蒲焼きや固さが気になる揚げ物などは避けた方が良いでしょう。
そうなると単純にハモの湯引きや、お吸い物の中に入っている身を与えるのがおススメとなります。
細かくほぐしてから、お粥や軟飯に混ぜてあげると食べやすいと思われます。
上の項目でも触れましたが、ハモは小骨が多いことで有名です。
調理済みのハモでもまれに小さな骨が残っている場合がありますので、ほぐす際に注意が必要となります。
それからハモの皮には弾力があり、歯の生え揃っていない赤ちゃんにとっては食べるのが困難です。
噛む力が充分備わってくるまでは、ハモの「身だけ」にしておきましょう。
子供に食べさせる場合の適量とは?
食べさせ方がだいたい分かりましたので、次は分量について考えてみましょう。
ちょうど私の勤務先に管理栄養士の方がおられましたので、少しお話を聞かせてもらえました。
あくまで参考程度ですが、年齢別に見たハモの分量を紹介しておきます。
(ハモの湯引き1食あたりの量です)
- 1歳未満 ・・・細かくほぐすか、みじん切りを1さじ
- 1歳~2歳・・・1センチ位に切ったものを2~3切れ
- 2歳~3歳・・・2センチ位に切ったものを2~3切れ
- 3歳以降 ・・・自分で食べられそうならそのまま2~3切れ
ハモの身は脂質が多い分、他の魚よりもカロリーが高め(100グラムで144kcal)となっています。
主食のお粥(ご飯)や他のおかずもありますので、カロリーの過剰摂取にならないよう調整して食べさせてあげましょう。
ハモがアレルギーになることも?
どんな食品にも言えることですが、次はハモのアレルギーについて考えてみましょう。
政府発表の資料によると、アレルギーが起こりやすいとされている27品目(そのうち魚介類は7品目)の中にハモは含まれていません。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
しかしこれは100%出ないという訳ではありません。
魚類ではサバや鮭、甲殻類ではエビやカニが出やすいとされていますが、それ以外でもアレルギーの可能性はあります。
症状としては『口腔アレルギー症候群』といって、食事中や食後に口の周辺や舌、唇が赤く腫れたりする場合があります。
個人差もありますが、まれに嘔吐や下痢、全身に蕁麻疹(じんましん)、呼吸困難といった重症になるケースも報告されています。
食後1時間程度は赤ちゃんの口周りや、お腹の調子に変化が無いか気にしておきましょう。
もしハモで赤ちゃんにアレルギー反応が出た場合には、
- サバ
- 鮭
- ウナギ
- アナゴ
などでも同様のアレルギーが出る可能性があるため、食べさせる際には注意が必要です。
というのもハモは生物学の分類上「ウナギ目(もく)ハモ科」といって、ウナギやアナゴの仲間とされているからです。
また、ハモに限らず初めての食品を口にする場合には「平日の午前中が良い」と言われています。
それはもし重大なアレルギー反応などが出た場合、すぐ病院に駆け込めるからです。
もしこれが土日祝日の夕方以降でしたら、診てもらえる病院を探すのが大変になります。
子供の万が一に備えておくという意味でも、頭に入れておきましょう。
小児科やアレルギー科では、採血不要で検査が可能な「パッチテスト」もおススメです。
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ハモは離乳食としてどうなの?
上の項目でも少し触れましたが、ハモはわざわざ離乳食として食べさせなくても良い食材とも言えます。
まず、消化に関係するものとして
- 脂質(脂肪分)が多めで胃腸に負担がかかる
- 蒲焼きなどの場合タレの味が濃い
- 小骨や皮が赤ちゃんには不向き
といった難点があります。
ただ、栄養面では優れているという特徴はあります。
カロリーは少し高いものの高タンパクで、良質なビタミン類(A、B2、B6、B12、D、Eなど)を多く含んでいます。
さらにカリウムやカルシウム、リンといったミネラル類も豊富です。
注意点として、与え過ぎると胃腸が受け付けず下痢や嘔吐をしてしまう可能性はあります。
食べ過ぎに注意しながら、「こんなお魚もあるんだよ~」という感じで少しずつ与えてみるのが良いでしょう。
ちなみにハモの季節としては
- 京都の祇園祭(7月1日~7月31日)
- 大阪の天神祭(6月下旬~7月25日)
が行われる夏頃に加え、「落ちハモ」「金ハモ」と呼ばれる10~11月頃が最も美味しいとされています。
まとめと私の体験談
このように今回は、ハモについての開始時期やアレルギーについて調べてきました。
注意点もいくつか見つかりましたので、ポイントだけでも覚えておくと良いでしょう。
それでは最後にまとめとして
- 生後11ヶ月~1歳位の離乳食完了期から
- 小骨の取り残しには充分気を付けて
- 最初は少しずつ様子を見ながら
- タレは味が濃いので避けた方が無難
- 食後のアレルギーにも一応の注意を
といったところでしょうか。
冒頭の続きになりますが、私の娘(1歳半)にも湯引きのハモを食べさせてみました。
フォークとお箸で身をほぐしつつ小骨がないか確認したところ、調理の人がしっかり取ってくれていました。
最近食欲が増してきて何でも食べる娘は、ほぐしたハモをペロッと完食でした。
食後のアレルギーや体調変化も見られませんでしたので、次回はもう少し量を増やしてみようと考えています。
皆さんのご家庭でも、美味しいハモが問題なく食べられますように!