煮付けや粕漬けにすると美味しい赤魚(あかうお)ですが、赤ちゃんの離乳食としてはどうなのでしょうか?
先日スーパーの鮮魚コーナーで赤魚のパックを見かけ、ふとこんな疑問が浮かんできました。
- 赤ちゃんに赤魚はいつ頃から?
- アレルギーが出たりしないだろうか?
- そもそも離乳食には向いているの?
などなど・・・私にもちょうど1歳になる娘がおります。
これまであまり魚を食べさせる機会がありませんでしたが、そろそろ少しずつでも試してみようと考えています。
今日はそんな私と同じようにお考えの方にも、調べて分かったことを順次紹介していきたいと思います。
毎日の育児で大変な皆さんにとって、知識の足しになれば幸いです。
目次
赤ちゃんに赤魚はいつ頃からOK?
ではまず、気になる赤魚の開始時期から見ていきましょう。
私が調べた離乳食本や育児サイトによりますと、赤魚は一般的に生後5~6ヶ月頃の離乳食初期から与えても大丈夫だそうです。
というのも、食用になる魚は「身の色」によって基本的に3種類に分類されます。
そしてそれぞれの魚ごとに、与え始めるのに適した時期が違っているのです。
具体的に書き表しますと
- 白身魚(しろみざかな)・・・生後5~6ヶ月頃の離乳食初期から
- 赤身魚(あかみざかな)・・・生後7~8ヶ月頃の離乳食中期から
- 青魚(あおざかな)・・・・・生後9~10ヶ月頃の離乳食後期から
というように赤ちゃんに魚を食べさせる場合には、今回の赤魚のような白身のものからがおススメです。
(ちなみに赤魚は「見かけが赤い」だけで、「身は白い」ため白身魚となります)
その理由として赤身の魚よりも脂肪分が少なく、味も淡白で食べさせやすいという特徴があるからです。
また、この順番は後の項目でも紹介しますが、アレルギーの出やすさとも関係があります。
「赤魚」という魚がいる訳ではない?
ちょっと余談になりますが、マグロやサバといった固有名詞のように「赤魚」という魚が実在する訳ではありません。
主として
- アラスカメヌケ
- タイセイヨウアカウオ
- アコウダイ
など、見かけが赤くて大型になる魚の総称として「赤魚」という名称が使われています。
「赤=縁起が良い」という事からお祝い料理に使われることもあり、鯛や鱈(たら)の代用品としても利用されているそうです。
実は「アカウオ」というハゼ科の魚も存在しますが、通常は食用とされていないようです。
今回の赤魚はカサゴやメバルの仲間であり、そのアカウオとは異なる種類の魚です。
赤魚を離乳食として利用するには?
次に赤魚の調理方法を見ていきましょう。
季節や地域によって様々なレシピがありますが、定番なものとしては
- 刺身
- 煮付け
- 塩焼き
- 粕漬け
- ムニエル
- フライ
などがあります。
ちなみにクックパッドなどを調べてみたところ、圧倒的に「煮付け」のレシピが多く掲載されていました。
そして離乳食初期の赤ちゃんにおススメしたいのは、赤魚の切り身を茹でてすり潰しておかゆに混ぜた「赤魚粥」です。
白身の赤魚は淡泊で味にクセが少ないため、小さな赤ちゃんでも食べやすいと言われています。
茹でる際のお出汁は特に必要ありませんが、月齢が進んできたらなるべく薄味で入れてあげても良いでしょう。
私たちが普段食べるような煮付けの味だと、赤ちゃんにとっては味が濃くなり過ぎてしまいます。
すでに普通の味付けがなされている赤魚に関しては、なるべく味の染みていない白身の部分を少し取り分けてお粥などに混ぜてあげましょう。
また、赤魚は魚の中でも小骨が比較的少ない方だそうです。
とはいえ赤ちゃんの喉に刺さっては大変ですので、お箸やフォークで身をほぐしながら丁寧に取り除いておきましょう。
残った赤魚を保存しておくには?
ちなみに先に挙げた加熱調理済みの赤魚は、冷凍保存が可能になります。
もちろん離乳食だけでなく私たちの食材としても使えますので、下のような容器を試してみてはいかがでしょうか。
この容器は冷凍庫や電子レンジをはじめ、食洗機に入れて洗うのもOKという優れモノです。
魚介類以外にも大根や人参といった茹でるのに時間がかかる根菜などを小分けし、冷凍しておくのにも役立ちます。
容器自体が平べったい形になっていますので、冷凍庫の中でそれほど場所を取らないというメリットもあります。
少し余談ですが、ベビーグッズ全般としてはこちらもおススメです。
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赤魚を生で食べさせるのはNG?
上記に紹介したメニューの中で、新鮮な赤魚は「刺身」や「洗い」といった生食で食べられることがあります。
しかし赤ちゃんの胃腸は私たちと比べてまだまだ弱く、消化能力的にも生魚は控えた方が良いという考えが一般的です。
年齢的に考えると他の生モノと同様に、少なくとも3歳までは与えない方が無難です。
慌てる必要もありませんので、3歳を過ぎて本人が嫌がらなければ少しずつ与えてみるのが良いでしょう。
赤魚に限らず非加熱の生魚は身の組織がしっかりしているため、食べるにはそれなりの「噛む力」が必要となります。
歯が生え揃っていない赤ちゃんにお刺身などは難しいと思われますし、噛まずに飲み込んで喉に詰まっても大変です。
また、食中毒に対する抵抗力の観点からも、私たち大人と同程度になるのはだいたい12歳くらいからであるとも言われています。
特に夏の時期は雑菌が繁殖しやすく、傷みも早くなってしまいます。
さらに、最近ではアニサキスという寄生虫による食中毒のニュースをよく耳にします。
この寄生虫が原因で、私たち大人でも下痢や嘔吐といった食中毒症状が出たという報告がなされています。
ちなみにほとんどの寄生虫は、十分な加熱によって死滅させることが可能です。
それから加熱した食材よりも生の方がアレルギーが出やすく、低年齢であるほど発症の可能性が高まるとされています。
新鮮な赤魚の刺身は大変美味しいのですが、乳幼児に対しては相応の年齢になってからにしておきましょう。
赤魚でもアレルギーになったりするの?
上の項目で少し触れましたが、ここでは赤魚のアレルギーについて説明します。
政府発表の資料によると、最もアレルギーが起こりやすいとされている27品目(そのうち魚介類は7品目)には含まれていません。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
ただし、どんな食材でも100%大丈夫というわけではなく、魚アレルギーという形での注意は必要です。
症状的には『口腔アレルギー症候群』といって、特定の食品を食べた直後に口の周辺や舌、唇が赤く腫れたりする場合があります。
その他にも
- 手足、身体の蕁麻疹(じんましん)
- 目のかゆみや充血
- 鼻水
- 喉の痛みや腫れ
- 喘息
- 下痢や嘔吐
というように、中には「花粉症」や「食中毒」に類似する症状が出る場合もあります。
念のため食後1時間くらいは赤ちゃんの口周りや、お腹の調子に変化が無いかチェックしておきましょう。
もしも、赤魚で赤ちゃんに何らかのアレルギー反応が出た場合には、
- サバ(鯖)
- サケ(鮭)
などでも同様のアレルギーが出る可能性があるため、食べさせる際には注意が必要です。
上の項目でも紹介しましたが、赤魚のような白身魚でアレルギーが出た場合には、赤身魚のマグロや青魚のイワシやアジにも気を付けましょう。
また、魚介類に限らず初めての食材を赤ちゃんに食べさせるのは「平日の午前中が良い」といわれています。
それは、もし重大なアレルギー反応などが出た場合すぐに病院に駆け込めるからです。
これが土日祝日の夕方以降でしたら、診てもらえる病院を探すのが大変になります。
赤ちゃんの万が一に備えておくという意味でも、頭に入れておきましょう。
気になる方には小児科やアレルギー科で、プリックテストなどの検査をしてもらうことをおススメします。
そもそも赤魚は離乳食に向いているの?
ここでは赤魚の栄養面などから、赤ちゃんの離乳食に適しているかどうかを検証していきます。
もともと赤魚は白身で高タンパクの魚となっています。
主な栄養成分としては
- ビタミンB12、D、E
- ナイアシン
- カリウム
- マグネシウム
- リン
などが豊富に含まれています。
そしてこの赤魚に含まれるビタミン類は魚類特有のもので、野菜などからは摂取されにくいのです。
さらに近年では
- エイコサペンタエン酸(EPA) ・・・血液の流れを良くする
- ドコサヘキサエン酸(DHA)・・・・脳細胞を活性化させる
といった健康に役立つ必須脂肪酸にも注目が集まっています。
ただし、大量に食べればそれで良いという訳ではありません。
どんなに健康に良いと言われる食材でも、限度を超えれば消化不良で下痢を引き起こしたりします。
お米や野菜、肉類などと合わせてバランスの取れた食事を心掛けることが、赤ちゃんの健康に繋がっていきます。
ちなみに赤魚の旬は4月~6月頃で、この時期のものは程よく脂が乗って美味しいとされています。
やや高級魚とも言えますが、白身で栄養豊富な点からも赤魚は離乳食向きと言えるでしょう。
まとめと私の体験談
このように今回は赤魚の開始時期やレシピ、アレルギーについて調べてきました。
他の魚と同様に注意点がいくつか出てきましたので、ポイントだけでも押さえておきましょう。
ではまとめになりますが
- 生後5~6ヶ月の離乳食初期頃から
- なるべく薄味で加熱は十分に
- 小骨や皮はしっかり取り除いて
- はじめは少量で試しながら
- アレルギーにも一応の注意を
といったところでしょうか。
参考までに私の娘(1歳)にも、水煮した赤魚をほぐして混ぜた赤魚粥を試してみました。
本当に味気ないものでしたが、娘はペロッと完食してくれました。
食後のアレルギーも大丈夫でしたので、次回はもう少し量を増やしてみようと思います。
皆さんのご家庭でも、赤ちゃんと一緒に美味しい赤魚が食べられますように!