我が国では昔から大衆魚として親しまれてきたサバ(鯖)ですが、赤ちゃんの離乳食としてはどうなのでしょうか?
先日スーパーの鮮魚コーナーにて立派なサバを見かけ、ふとこんな疑問が頭に浮かんできました。
- 赤ちゃんにサバはいつ頃から食べさせられる?
- アレルギーが出やすいと聞いたことがあるけど?
- そもそも離乳食には向いているのだろうか?
などなど・・・私にも1歳3ヶ月の娘がおりまして、離乳食のメニューには時々迷うことがあります。
今日はそんな私と同じような疑問を持たれた方々のためにも、調査して集めた情報を紹介していきたいと思います。
毎日の育児に追われ、何かと忙しい皆さんの手助けになれば幸いです。
目次
赤ちゃんにサバはいつ頃から大丈夫?
それではまず、サバの開始時期から一緒に見ていきましょう。
私の調べたいくつかの離乳食サイトによりますと、サバは一般的に生後9~10ヶ月頃の離乳食後期から与えても良いという意見が多数ありました。
その根拠ですが・・・食用になる魚類を大きく3つに分けた場合、サバは「青魚(あおざかな)」の仲間となります。
他の2つは「白身魚(しろみざかな)」「赤身魚(あかみざかな)」と呼ばれていて、目安となる開始時期がそれぞれ違っています。
具体的に書き表しますと
- 白身魚・・・生後5~6ヶ月頃の離乳食初期から
- 赤身魚・・・生後7~8ヶ月頃の離乳食中期から
- 青魚・・・・生後9~10ヶ月頃の離乳食後期から
というように赤ちゃんに魚を食べさせる場合には、まず白身魚からがおススメです。
それで何ともなければ次に赤身魚、さらに続いて青魚という感じになります。
この順番は後の項目でも紹介しますが、アレルギーの出やすさにも関係しています。
ちなみに「サバ」とひとまとめに言っても
- マサバ
- ゴマサバ
- グルクマ
- ニジョウサバ
というように、国内市場に出回っているのは上記の4種類となっています。
赤ちゃんにサバはどのように食べさせれば?
次にサバの調理方法についてですが、これには昔から様々な食べ方があります。
日本全国の地域や季節も関係していますが、主だったものには
- 塩焼き
- 味噌煮
- 刺身
- 〆鯖(しめさば)
- サバ寿司
- へしこ(塩漬けの郷土料理)
などがあります。
ただ、上記の中で小さな赤ちゃんが食べられそうなものは限られています。
塩焼きや味噌煮はそのままだと味付けが濃すぎますし、〆鯖は酸味が赤ちゃんの口に合いにくいと思われます。
そこでおススメしたいのが、サバに塩を振らず「素焼き」にする方法です。
サバが焦げないように気を付けながらじっくり焼き、背骨から身だけをはずしてお皿に取りましょう。
そしてお箸で身を細かくほぐしながら、小骨があれば完全に除去します。
赤ちゃんの喉はまだまだ細く、サバの小さな骨でさえ引っかかってしまう可能性があります。
ほぐした身をお粥や軟飯にまぶせば「サバご飯」になりますし、茹でた野菜などと和えておかずに仕上げても良いでしょう。
また、少し手間はかかりますが豆腐ハンバーグやお焼きの具として入れる方法もあります。
赤ちゃんに「つかみ食べ」ができるようになったり、歯も生えてしっかり噛む力が付いてきた頃のメニューとしてもおススメです
余ったサバを保存しておくには?
ちなみに「サバを焼いてほぐした身」は冷凍保存が可能です。
もちろん離乳食だけでなく私たちの食材にも使えますので、下のような容器を試してみてはいかがでしょうか。
この容器は冷凍庫や電子レンジをはじめ、食洗機に入れて洗うのもOKという優れモノです。
魚以外にも大根や人参といった茹でるのに時間がかかる根菜などを小分けし、冷凍しておくのにも役立ちます。
やはり毎回の離乳食の度に、下ごしらえから始めるのは結構大変です。
こちらの容器自体が平べったい形になっていますので、冷凍庫の中でそれほど場所を取らないというメリットもあります。
それから皆さんご存知のとおり、サバは魚の中でも最も傷み(腐り)やすい食材となっています。
家族内で食べきれないくらいにある場合などには、とにかく焼いてから身をほぐして冷凍しておきましょう。
少し余談ですが、ベビーグッズ全般としてはこちらもおススメです。
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圧倒的な品揃えに加え、デザインの可愛さには一見の価値があると思われます。
赤ちゃんのお食事グッズだけでなく、衣類・おもちゃ・お出掛け用品・消耗品などが幅広く取り揃えられています。
生のサバ(刺身や寿司)はどうなの?
上の項目でも紹介しましたが、傷みやすいサバでも地域によっては刺身やお寿司のネタとして食べられることがあります。
スーパーでも酢を用いた「〆鯖」が刺身コーナーに並んでいたりもします。
しかしながら、赤ちゃんの胃腸は私たちと比べて弱いため、消化能力面からも生食は控えた方が良いと言われています。
ではいつ頃から大丈夫なのかといいますと、他の生ものと同様に少なくとも2歳まではやめておいた方が無難です。
慌てる必要はありませんので、なるべくなら3歳以降で本人が嫌がらなければ少しずつ与えてみるのも良いでしょう。
注意点として、サバにはアニサキスという寄生虫が付いている場合があります。
このアニサキスは人の口から体内に入ると腹痛や嘔吐、下痢といった食中毒を引き起こす危険性があります。
胃の中に入り込んだ寄生虫は胃酸を嫌って胃壁の中に潜り込むため、深刻な場合には手術で取り除かなくてはなりません。
対処法として、サバを冷凍したり十分に加熱することでアニサキスを死滅させることができます。
ただし「酢」ではこの寄生虫を退治できませんので、〆鯖やサバ寿司には注意が必要です。
ちなみに加熱した食材よりも生の方が一般的にアレルギーが出やすく、低年齢であるほど発症の可能性が高まります。
新鮮なサバの刺身やお寿司は確かに美味しいのですが、同時に消化不良や食中毒をはじめ、アレルギーの心配があります。
サバの生食については、ある程度適した年齢になってからでも遅くはないと思われます。
赤ちゃんにサバの缶詰はどうなの?
いわゆる「サバ缶」ですが、私も学生時代にはよく食べていました。
炊いたご飯しかない時など、サバの味噌煮の缶詰でさえご馳走に感じた思い出があります。
今回の試食調査では、少し変わった「梅風味」なるものがありました。
懐かしさも相まって美味しく頂きましたが、内容表示を見てみると数種類の添加物も含まれています。
上の写真ではちょっと細かくて見にくいですが
- さば
- 砂糖
- しょう油風調味料
- みりん
- ねりうめ
- 生姜(しょうが)
- 食塩
- 調味料(アミノ酸)
- 増粘剤(加工デンプン・グァーガム)
- 香料
- 酸味料
- 果実色素
- 小麦(原材料の一部に含む)
と表記されています。
味の調整や保存のためか、増粘剤など普段あまり聞きなれないものも使用されているようです。
味はやはり濃い目で、糖分塩分や油分も多く感じられました。
この辺りを考えると、小さな赤ちゃんにはまだ食べさせない方が無難と思われます。
ただ「レトルトのベビーフードや、他におかずが何もない!」・・・というような状況においては仕方ない場合もあります。
缶詰を開けて赤ちゃんに与える分だけをほんの少し取って、ご飯やお粥にまぶして「味を薄め」ましょう。
目の細かい茶こしなどに取って、上から熱湯をかけることで余分な油などを多少洗い流すことができます。
そのまま与えるよりは味も薄まりますので、最終的手段と考えておきましょう。
サバでアレルギーが出たりするの?
上の項目でも少し触れましたが、ここではサバのアレルギーについて説明します。
政府発表の資料によると、魚介類の中でもサバはアレルギーが出やすい部類に入ります。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
これはサバの傷みが早い性質にも関係していて、アレルギー物質の「ヒスタミン」が多く含まれるためとも言われています。
症状としては『口腔アレルギー症候群』といって、特定の食品を食べた直後に口の周辺や舌、唇が赤く腫れたりする場合があります。
その他にも
- 手足、身体の蕁麻疹(じんましん)
- 目のかゆみや充血
- 鼻水
- 喉の痛みや腫れ
- 喘息
- 下痢や嘔吐
というように、中には「花粉症」や「食中毒」に類似する症状が出る場合もあります。
念のため食後1時間くらいは赤ちゃんの身体や、お腹の調子に変化が無いか観察しておきましょう。
もしも、サバで赤ちゃんにアレルギー反応が出た場合には、
- アジ(鯵)
- イワシ(鰯)
- サンマ(秋刀魚)
などでも同様のアレルギーが出る可能性があるため、食べさせる際には注意が必要です。
これらは青魚の中でも、身近で代表的なものになります。
また、魚介類に限らず初めての食品を赤ちゃんに試すのは「平日の午前中が良い」といわれています。
それは、もし重大なアレルギー反応などが出た場合すぐに病院に駆け込めるからです。
これが土日祝日の夕方以降でしたら、診てもらえる病院を探すのが大変になります。
赤ちゃんの万が一に備えておくという意味でも、頭に入れておきましょう。
気になる方には小児科やアレルギー科で、パッチテスト(採血不要)などの検査をしてもらうことをおススメします。
そもそもサバは離乳食に向いているの?
ここではサバの栄養面などから、赤ちゃんの離乳食に適しているかどうかを検証していきます。
サバの美味しい季節(旬)としては秋頃が有名です。
また、九州地方では冬場の「寒サバ」も食文化となっています。
そして、サバに含まれる栄養成分としては
- ビタミンB2・B6・B12
- ビタミンD
- ナイアシン
- 鉄分
- セレン
などが豊富に含まれています。
ミネラルの1種でもある「セレン」はあまり知られていませんが、効能として強い抗酸化作用を持っています。
がんの予防や老化の防止が期待できるなど、赤ちゃんのうちから不足することなく摂取していきたい栄養素となります。
ちなみにこのサバに含まれるビタミン類は、野菜などから摂取されにくいものが多いのです。
さらに近年では
- エイコサペンタエン酸(EPA) ・・・血液の流れを良くする
- ドコサヘキサエン酸(DHA)・・・・脳細胞を活性化させる
といった健康に役立つ必須脂肪酸にも注目が集まっています。
ただし、大量に食べればそれで良いという訳ではありません。
どんなに健康に良いと言われる食材でも、限度を超えれば消化不良で下痢になったりします。
お米や緑黄色野菜、肉類などと合わせてバランスの取れた食事を心掛けることが、赤ちゃんの健康に繋がっていきます。
アレルギーさえ出なければ、その優れた栄養面からもサバは離乳食に向いていると言えるでしょう。
まとめと私の体験談
このように今回はサバの開始時期や、アレルギーについて調べてきました。
その中で注意点がいくつか出てきましたので、できればポイントだけでも押さえておきましょう。
それではまとめになりますが
- 生後9~10ヶ月の離乳食後期頃から
- 充分に焼くなどの加熱調理をして
- 小骨は特にしっかりと取り除き
- 念のため最初は少量から様子を見て
- アレルギーが比較的出やすい点に注意
といったところでしょうか。
参考までに、先日ちょうど1歳3ヶ月になる娘にサバを食べさせてみました。
買ってきたのは塩サバではなく生のサバで、そのまま素焼きにして身だけをほぐし、柔らかめのご飯に混ぜて与えました。
実はこのところ娘にはアジ、サンマ、サバと青魚が続いています。
今回のサバご飯は脂っ気が少なく、パサパサ気味でしたが何とか食べてくれました。
多少不安でしたが、食後のアレルギーも特にありませんでした。
そのうち家族みんなでサバの味噌煮などが食べられると思うと、何だか嬉しく思います。
皆さんの赤ちゃんにも、サバが美味しく食べられることを願っています!