クッキーやパンなどの中に入っていることの多いクルミ(胡桃)ですが、小さな赤ちゃんにはどうなのでしょうか?
先日私が朝食として食べていたくるみパンを1歳半の娘が欲しがり、食べたそうにしていました。
小さくちぎって食べさせようと思いましたが、同時にこんな疑問が頭に浮かんできました。
- 1歳でクルミは早いのでは?
- 喉に詰まったりしないだろうか?
- アレルギーが出そうな食品では?
などなど、小さな子供の口に入るとなると結構気を遣うものです。
今日は私と同じような疑問を持たれた方のためにも、調査結果を紹介していきたいと思います。
毎日、育児に大奮闘されている皆さんのお役に立てれば幸いです。
目次
赤ちゃんにクルミはいつ頃から大丈夫?
私がまず気になったのはこの「開始時期」に関することでした。
多くの育児本や離乳食サイトによると、3歳までは与えない方が無難となっていました。
国の機関である消費者庁のホームページ内にも
『ピーナッツなどのナッツ類は3歳ぐらいまでは与えないようにし、食べ物は硬さや大きさ、口の中に入れる量を考え、ゆっくり食べさせるようにしましょう。』
(参考資料:消費者庁のHP「ナッツ類による窒息」より引用)
とあり、注意喚起がなされていました。
つまり「いつから大丈夫?」という問題以前に、クルミは3歳未満の赤ちゃんにとって不向きであることが分かります。
その理由として挙げられるのが、大きく分けて次の3点となります。
- 喉詰めの場合に窒息の危険がある
- ナッツ類はアレルギーが起こりやすい
- 赤ちゃんの胃腸では消化されにくい
というようにどれも結構重要な問題ですので、それぞれ個別に説明していきます。
喉詰めによる窒息の危険とは?
上の写真でも分かるように、クルミの実は意外と凹凸のある形をしています。
表面の薄皮をむくと表面はツルツルしていますが、噛まずに飲み込んでしまうと喉に引っかかりやすいと言われています。
加えて注意したいのが「乾燥ナッツ類」の特徴として、水分を含むと多少膨らんで大きくなるという点です。
これは赤ちゃんの細い喉に詰まったクルミが唾液などを吸って膨らみ、気道(空気の通り道)を塞いでしまうことに繋がります。
また、窒息は免れたとしてもクルミに含まれる油脂によって誤嚥性(ごえんせい)肺炎を引き起こすケースも多いとされています。
赤ちゃんが自分の力で動き回れる時期(這い這いやつかまり立ち)になると、同時に好奇心も旺盛になります。
目に見えるものや手に触れられる物に興味を持ち、すぐ口に入れてしまうことも多々あることでしょう。
クルミの誤飲・誤嚥を防ぐ対策としては
- 基本的に家中に置かない(買わない、貰わない)
- パパや祖父母、来客などへの周知を徹底する
- 兄や姉がいる場合にはよく言って聞かせておく
などが有効と思われます。
パパママのお酒のおつまみとしても定番なのですが、赤ちゃんがもう少し大きくなるまでは別の物にしておきましょう。
それから無神経な人が勝手に与えてしまうという可能性を減らすために、「これくらい知っているハズ」と思うことでも念のため言っておく方が無難です。
上のきょうだいが悪気無く赤ちゃんに「はい、どうぞ!」と食べさせてしまうことも考えられます。
子供が3歳以上になっていたとしても、半分に割ったり小さく砕いてから与えた方が良いでしょう。
今回のクルミに限りませんが、喉に詰まる可能性のある食品を与える場合には子供から目を離さないことも重要です。
もしクルミが喉に詰まってしまったら?
万が一、赤ちゃんがクルミを飲み込んで窒息状態に陥ったときにはすぐに119番で救急車を呼びましょう。
その後で、背部叩出法(はいぶこうだほう)などにより詰まったものを取り出す努力を試みます。
分かりやすく説明された動画を見つけましたので、下記のリンク先にて紹介しておきます。
⇒乳児の気道異物を除去する方法 背部叩打法と胸部突き上げ法
(動画作成:日本赤十字社さん)
この2つの方法さえ知っていれば、いざという場合に少しでも落ち着いて対処が出来そうです。
ただしやり方によっては、詰まったクルミを喉の奥に押し込んでしまう恐れもあります。
何回か試しても取れない場合には、無理をせず救急隊に任せた方が良いという意見もあります。
クルミはアレルギーが出やすいの?
次にクルミのアレルギーについて考えてみましょう。
政府の資料によりますと、クルミは食品の中でもアレルギーが出やすいとされる27品目の中に含まれています。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
上の資料によると
- クルミ
- 落花生(ピーナッツ)
- カシューナッツ
- 大豆
といったナッツ・豆類は比較的アレルギーになりやすいとされています。
そのアレルギーの症状としては『口腔アレルギー症候群』と呼ばれ、食後などに口周りや舌、唇が赤く腫れてくる場合があります。
赤ちゃんによっては、口だけでなく全身に蕁麻疹(じんましん)が出たりするケースもあります。
このようなアレルギー反応には
- 即時性・・・食事中~食後30分以内に出る
- 遅延性・・・食後数時間~数日経ってから出る
というような2つのパターンが存在します。
即時性の場合には原因が分かりやすいのですが、遅延性となると「どの食品でアレルギーが出るのか特定しにくい」ということになります。
さらに怖いのは、呼吸困難や痙攣(けいれん)といった激しいアレルギー症状が起きる場合です。
これらは『アナフィラキシーショック』と言われ、放っておくと赤ちゃんの生命に関わります。
もしそのような症状が出たと思われる場合には、迷わず救急車を呼びましょう。
気になる方は食べさせる前に、皮膚科やアレルギー科のある病院でパッチテストなどの検査を受けられることをおススメします。
統計ではアトピー性皮膚炎や喘息のある赤ちゃんの場合、よりアレルギーが起こる可能性が高いとされています。
念のため、健康診断などでかかりつけの先生に相談しておく方が無難と思われます。
ちなみにネットで色々調べているうちに、小さな子供のかかりやすい病気や日々の健康に関する情報について、詳しく書かれた本を見つけました。
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病院に行くかどうか迷ったり、こんな時にはどうしたら?というような身近な疑問の解決に役立つ内容となっています。
また、私自身も愛読していますが子育て全般に関する「育児本」として、このシリーズが分かりやすくておススメです。
⇒【楽天ブックス】子育てハッピーアドバイス 明橋大二 著 / 太田知子 イラスト
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ご自身で読まれる以外に、初めてお子さんが生まれたご家庭へのプレゼントとしても喜ばれることでしょう。
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クルミのカロリーや消化については?
クルミは100gで674kcalという、かなりの高カロリー食品となっています。
ちなみにクルミ100gをご飯の量に換算してみると、お茶碗約4~5杯分に相当します。
さすがにこれほど食べさせる方はおられないと思いますが、与え過ぎは肥満の原因にもなります。
それから脂質も多く含まれているために、子供の未発達な胃腸では少量でも消化されにくい場合があります。
消化能力を超えて食べ過ぎてしまうと、嘔吐や下痢を起こすことが考えられます。
さらにお酒の「つまみ用」として市販されているクルミは、油で揚げた後に塩で味付けされているものが多いのです。
この辺りもクルミが赤ちゃんに適していない理由の一つとなっています。
他にもっと消化しやすく、栄養的にもバランスの取れた食材はたくさんあります。
そういったもので離乳食を作ってあげる方が、赤ちゃんのためにも良いでしょう。
クルミが使われている料理や食品とは?
これまでの項目で、クルミが赤ちゃんにはあまり相応しくないということが分かってきました。
ここでは原材料として含まれている可能性のある料理などを紹介します。
- くるみパン
- くるみ餅
- くるみ団子
のように、食品の名称に「クルミ」が付いていれば中に含まれていることが分かります。
しかしながらクルミには調味料としての一面もあります。
知らないうちに赤ちゃんの口に入ってしまうことも考えられますので、加工食品では内容やアレルギー表示をしっかりチェックしておきましょう。
クルミは細かく砕かれたり、パウダー状にされて
- カレーやシチューのルウ
- ケーキなど洋菓子の生地
- クッキー、サブレ類
- インスタント食品
- レトルト食品
などに使用されていることがあります。
勤務先の調理師の方にも聞いてみましたが、クルミは料理の風味やコクを出すための調味料としてよく使われるそうです。
まとめと私の体験談
このようにクルミの開始時期やアレルギーについて調べてみると、意外と重要な注意点が出てきました。
小さな赤ちゃんの健康維持のためにも、覚えておくと良いでしょう。
それでは最後にまとめとなりますが
- 3歳未満には与えない方が無難
- 3歳を過ぎても与える際は慎重に
- 最初は少量から小さく割って
- 万が一喉詰めの場合には大至急対処を
- アレルギーにも気を付けて
といったところでしょうか。
冒頭の続きになりますが、私の娘はまだ1歳半ですので「くるみパン」はやめておきました。
離乳食もほぼ完了していますが、最近食欲が旺盛になってきて何でも食べようとします。
それもあって、クルミ以外にも食べられて困るものは食卓に置かないようにしています。
皆さんの大切な赤ちゃんにも、クルミの誤飲事故などが起こらないように願っています!