おつまみやおやつというイメージの強いピスタチオですが、小さな赤ちゃんにはどうなのでしょうか?
先日私がピスタチオ入りのクッキーを食べていたところ、1歳半の娘がやってきました。
細かく割ってあげようと思ったのですが、ふとこんな疑問が頭に浮かんできました。
- 赤ちゃんにピスタチオはいつからOK?
- 喉に詰まったり消化に良くないのでは?
- アレルギーが出やすい気がするけど?
などなど、大人の私たちには良くても小さな子供の口に入るものには結構気を遣います。
今日は私と同じような疑問を持たれた方のためにも、調べた結果を紹介したいと思います。
毎日育児でお忙しい皆さんの知識の足しになれば幸いです。
目次
赤ちゃんにピスタチオはいつから大丈夫?
私を含め皆さんがまず気にされるのは、この「開始時期」ではないでしょうか。
多くの育児本や離乳食サイトにおいて、ピスタチオは少なくとも3歳までは与えない方が無難とされています。
中には、消化能力や内臓機能が大人と同じレベルまで成長する「8歳位までは控えるべき」という意見もありました。
つまり「いつから大丈夫?」という問題以前に、3歳未満の子供や赤ちゃんには不向きな食品であることが分かります。
その理由として挙げられるのが、大きく分けて次の3点となります。
- 喉に詰めると窒息する危険がある
- ナッツ類は比較的アレルギーが出やすい
- 赤ちゃんの内臓では消化されにくい
というようにどれも重要な問題ですので、それぞれ個別に説明していきます。
喉詰めによる窒息の危険とは?
上の写真でも分かるように、ピスタチオの形と大きさは喉に詰まりやすいと言われています。
表面の皮がザラザラしているため、そのまま飲み込んでしまうと喉に引っかかりやすいのです。
加えて注意したいのが「乾燥ナッツ類」の特徴として、水分を含むと多少膨らんで大きくなるという点です。
これは赤ちゃんの細い喉に引っかかったピスタチオが唾液などを吸って膨らみ、気道(空気の通り道)を塞いでしまうことになります。
また、窒息しなかったとしてもピスタチオの油分が肺に入ってしまい、誤嚥性(ごえんせい)肺炎になるケースも報告されています。
赤ちゃんの動きが活発になる時期(這い這いやつかまり立ち)には、同時に好奇心も旺盛になります。
目に見えるものや手に触れられる物に興味を持ち、すぐ口に入れてしまうことも多々あることでしょう。
ピスタチオの誤飲・誤嚥の予防策としては
- 基本的に家に置かない(買わない、貰わない)
- 身内や来客などへの周知を徹底しておく
- 上のきょうだい(兄や姉)にもよく言って聞かせる
などが有効と思われます。
パパママのお酒のおつまみとしても定番なのですが、赤ちゃんがもう少し大きくなるまでは他の物で代用された方が無難です。
それから無神経な人が勝手に与えてしまうという可能性を減らすため、「これくらい分かっているだろう」と思うことでもあえて宣言しておくことが大切です。
上の子が悪気無く赤ちゃんに「はい、どうぞ!」と食べさせてしまうことも考えられます。
子供が3歳以降になっていても、半分に割ったり小さく砕いて与えた方が良いでしょう。
ピスタチオに限りませんが、喉に詰まる可能性のある食品を与える場合には子供から目を離さないことも重要です。
もしピスタチオが喉に詰まったら?
万が一、ピスタチオを誤飲して赤ちゃんが窒息状態に陥ったときにはすぐに119番で救急車を呼びましょう。
その後で、背部叩出法(はいぶこうだほう)などにより詰まったものを取り出す努力を試みます。
分かりやすい動画を見つけましたので、下記のリンク先にて紹介しておきます。
⇒乳児の気道異物を除去する方法 背部叩打法と胸部突き上げ法
(動画作成:日本赤十字社さん)
ただし、やり方によってはピスタチオを気管の奥に押し込んでしまう恐れもあります。
何回か試しても取れない場合には、無理をせず救急隊に任せた方が良いという意見もあります。
ピスタチオでアレルギーが出ることも?
次にピスタチオのアレルギーについて考えてみましょう。
政府発表の資料によると、ピスタチオは食品の中でもアレルギーが出やすいとされる27品目には含まれていません。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
ただ、ピーナッツ(落花生)やカシューナッツなどのナッツ類は比較的アレルギーになりやすいことが知られています。
そのアレルギーの症状としては『口腔アレルギー症候群』と呼ばれ、食後などに口周りや舌、唇が赤く腫れてくる場合があります。
赤ちゃんによっては、口だけでなく全身に蕁麻疹(じんましん)が出たりするケースもあります。
このようなアレルギー反応には
- 即時性・・・食事中~食後30分以内に出る
- 遅延性・・・食後数時間~数日経ってから出る
というように2つのパターンが存在します。
即時性の場合には原因を特定しやすいのですが、遅延性となると「どの食品がアレルゲンなのか特定しにくい」ということになります。
さらに怖いのは、呼吸困難や痙攣(けいれん)といった激しいアレルギー症状が起きる場合です。
これらは『アナフィラキシーショック』と言われ、放っておくと赤ちゃんの生命に関わります。
もし、そのような状態に陥った際には迷わず救急車を呼びましょう。
気になる方は食べさせる前に、皮膚科やアレルギー科のある病院でパッチテストなどの検査を受けることをおススメします。
統計によるとアトピー性皮膚炎や喘息のある赤ちゃんの場合、よりアレルギーが起きる可能性が高いとされています。
念のため、健診などでかかりつけの先生に相談しておく方が無難と思われます。
ちなみにネットで色々調べているうちに、小さな子供のかかりやすい病気や日々の健康に関する情報について、詳しく書かれた本を見つけました。
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病院に行くかどうか迷ったり、こんな時にはどうしたら?というような身近な疑問の解決に役立つ内容となっています。
また、私自身も愛読していますが子育て全般に関する「育児本」として、このシリーズが分かりやすくておススメです。
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ピスタチオは高カロリーで消化されにくい?
皆さんご存知のとおり、ナッツ類は総じてカロリーが高めです。
ピスタチオも例外ではなく、可食部100gで615kcalというなかなかの高カロリー食品となっています。
この100gをご飯の量に換算してみると、お茶碗約3~4杯分に相当します。
さすがにここまで食べさせる方はおられないと思いますが、与え過ぎは肥満の原因にもなります。
それから脂質も多く含まれているために、子供の未発達な胃腸では少量でも消化しきれない場合があります。
消化能力を超えて食べ過ぎると、嘔吐や下痢をしてしまうことが考えられます。
さらに「おつまみ用」などのピスタチオは、塩で味付けされているものが多いため塩分の摂り過ぎも気になるところです。
ピスタチオ自体のプラス面としては、必須アミノ酸や不飽和脂肪酸、食物繊維やカリウムなどが豊富に含まれています。
しかし赤ちゃんにとっては他にもっと消化しやすく、栄養バランスの取れた食材がたくさんあります。
そういったもので離乳食を作ってあげる方が、健康のためにも良いでしょう。
ピスタチオが使われている料理や食品とは?
ピスタチオが小さな赤ちゃんにはあまり相応しくないということが分かりましたので、次は原材料として含まれている可能性のある料理などを紹介します。
知らないうちに赤ちゃんの口に入ってしまうことも考えられますので、加工食品では内容表示などをしっかりとチェックしておきましょう。
ピスタチオは小さく砕かれたり、パウダー状やペースト状にされて
- カレー・シチュー
- ケーキなどの洋菓子
- アイスクリーム類
- クッキー・サブレ
- インスタント・レトルト食品
などに使用されていることがあります。
そのままの形であれば分かりやすいのですが、「粉末状」などで調味料にされている場合には食べても分からないことが多いでしょう。
知り合いの調理師の方に聞いてみたところ、ピスタチオはピーナッツやアーモンドと同じように料理の「隠し味」として使われることもあるそうです。
レストランなどで外食される場合には、オーダー時にお店の人に確認された方が無難と思われます。
ピスタチオアレルギーで、「完全除去」が必要な場合などは特に注意が必要です。
まとめと私の体験談
このようにピスタチオの開始時期やアレルギーについて調べてみると、注意点が色々と出てきました。
皆さんの大切な赤ちゃんに、もしものことがあっては大変です。
それでは最後にまとめとなりますが
- 3歳までは与えない方が無難
- 3歳を過ぎても与える際は慎重に
- 最初は少量から小さく砕いて
- 喉詰めの際には大至急対処を
- 食後のアレルギーにも注意して
といったところでしょうか。
冒頭の続きになりますが、私の娘はまだ1歳半ですので今回はやめておきました。
そして、一瞬でも子供に食べさせてみようと安易に考えた点について反省しております。
誤飲防止の項目でも書きましたが、我が家でも赤ちゃんに不向きな食材の管理を徹底したいと思います。
皆さんのご家庭でもピスタチオの誤飲事故などが起こらないよう、私も同じ親として願っています。