高級食材で長寿に関する縁起物としても知られるアワビ(鮑)ですが、小さな赤ちゃんに食べさせても大丈夫なのでしょうか。
先日スーパーの魚介類売り場で新鮮なアワビを見かけ、ふとこんな疑問が浮かんできました。
- 赤ちゃんにアワビはいつ頃からOK?
- 食感が固いイメージがあるけど?
- 確かアレルギーが出やすかったような?
などなど・・・私にも1歳半になる娘がおりまして、毎日の離乳食メニューには色々と悩むことがあります。
今日はそんな私と同じような疑問をお持ちの方の為にも、調べて分かったことなどを紹介してきます。
毎日の育児でお疲れの皆さんにとって、有益な情報となれば幸いです。
目次
赤ちゃんにアワビはいつ頃から大丈夫?
まず最初にアワビの「開始時期」から考えてみましょう。
私が調べたいくつかの離乳食サイトによると、生後1歳を過ぎるまでは避けた方が無難という意見が多いようでした。
その理由については順を追って説明していきますが、アサリやホタテといった身近な貝類よりもハードルが高いことは間違いないでしょう。
ちなみに私が調べた文献のひとつには
『胃や腸だけでなく、腎臓や肝臓の機能なども含めて「内臓機能」が完成するという意味でいえば、大人と同じものを食べられるのは、なんと8才ごろなのです』
(参考資料:主婦の友社 平成29年6月30日発行「いつからOK?離乳食 食べていいもの悪いもの」 P10より引用)
と書かれていました。
8才ごろと言えば小学校2~3年生くらいでしょうか。
特にお刺身などの「生もの」を食べさせ始める目安と考えても良さそうです。
アワビはお寿司屋さんだけでなく、中華料理や洋食のコースメニューなどに出てくる場合もあるかと思われます。
縁起物としても用いられることから、お正月や冠婚葬祭の料理に使われることもありそうですね。
アワビを離乳食として食べさせるには?
上の項目で食べさせるのは1歳以降~が無難と書きましたが、アワビは無理をして食べさせる必要がない食材とも言えます。
しかしながらお祝いの席であったり、少しでも家族皆で同じものを食べたいとお考えの方々のためにも乳幼児向けのアワビメニューを調べてみました。
まず大原則として『新鮮なアワビを十分に加熱調理する』ことが重要です。
アワビのあのコリコリとした食感を味わうのは刺身が一番なのですが、
- 生ものはお腹をこわす恐れ
- 噛み切れず喉詰めする危険性
- アレルギーになる心配
等の観点から、子供が小さいうちは加熱したものを食べさせましょう。
ただし焼くと身が固くなりやすいため「煮る・蒸す」といった加熱方法がおススメとなります。
そして乳幼児期には最初からアワビの身を食べさせるのではなく、まずはスープやおつゆのみの「具抜き」からが無難と思われます。
というのも、一般的に貝類はあまり消化に良いとされておりません。
スープ ⇒ すり潰し ⇒ みじん切り
という順番で、子供の消化能力に応じた調理方法で食べさせてあげましょう。
また、使用する部分はアワビの「貝柱」が基本となります。
内臓部分(キモやヒモなど)は珍味として食用とされる場合もありますが、小さな子供には避けた方が良いでしょう。
乳幼児でも食べられそうなメニューとしては
- 海鮮スープ
- クリームシチュー
- アワビ粥
などがおススメとなります。
繰り返しになりますが、生ものである刺身や固さが気になる磯焼きなどは相応の年齢になってからにしておきましょう。
アワビにおける食中毒の心配とは?
アワビだけに限りませんが、貝類を食べる際の注意点としてノロウィルスなどによる食中毒が挙げられます。
食べさせ方の項目でも触れましたが、生ものや加熱されていても火の通りが甘いものには気を付けましょう。
一般的には「85~90℃で90秒間以上加熱」すると、前述のノロウィルスを死滅させられると言われています。
それからもし寄生虫が付いていた場合にも、加熱による対策は効果的との事です。
私たち大人と違い、まだ小さな赤ちゃんは胃腸の消化能力が十分に備わっていません。
痛みかけたアワビで嘔吐や下痢をしてしまうことも考えられますので、雑菌が繁殖しやすい常温に長時間置かれていたものは避けた方が無難です。
ちなみに何年かに一度のサイクルで、「貝毒(かいどく)」による食中毒も報告されています。
こちらは前述のウィルスのよるものと違い、加熱で毒性が無くなるわけではありません。
ニュースなどで貝毒の情報が出た際には気を付けましょう。
加えて、アワビの内臓の一部である中腸腺(ちゅうちょうせん)にも注意が必要です。
特に春先においてこの中腸腺には毒素が溜まりやすく、それを私たちが摂食することで食中毒に繋がるケースがあるそうです。
やはり「貝柱」以外の部位(キモやヒモなど)は、加熱前に取り除いた方が良いでしょう。
アワビのアレルギーはどうなの?
アワビも食品である以上、食物アレルギーの可能性が考えられます。
参考までに政府発表の資料を見てみましょう。
実は貝類の中ではまさに今回の「アワビ」がアレルギーになりやすいとされています。
(参照:消費者庁 アレルギー表示についてより)
症状としては『口腔アレルギー症候群』といって、特定の食品を食べた直後に口の周辺や舌、唇が赤く腫れたりする場合があります。
その他にも
- 手足、身体の蕁麻疹(じんましん)
- 目のかゆみや充血
- 鼻水
- 喉の痛みや腫れ
- 喘息
- 下痢や嘔吐
というように、中には「花粉症」や「食中毒」に類似する症状が出る場合もあります。
念のため食後1時間くらいは子供の身体や、お腹の調子に変化が無いか観察しておきましょう。
食後しばらく経ってから、子供の口の中をチェックしておくのも良いでしょう。
もし子供にアワビでアレルギー反応が出た場合には、
- ホタテ
- アサリ
- ハマグリ
- シジミ
- サザエ
といった他の貝類でも同様のアレルギーが出る可能性があるため、食べさせる際には注意が必要です。
ちなみにアワビに限らず、初めての食品を子供に食べさせるのは「平日の午前中が良い」とされています。
それはもし重大なアレルギー反応などが出た場合、すぐに病院に駆け込めるからです。
これが例えば土日祝日の夕方以降などでしたら、受診可能な病院を探すのが大変になるでしょう。
さらには盆休みやお正月、GWなどの大型連休も不向きであると言えます。
家族旅行先での食事や、ちょっとした外食にも気を付けた方が良さそうですね。
気になる方には小児科や皮膚科で、パッチテスト(採血不要)などの検査をしてもらうことも可能です。
ネットで色々調べているうちに、小さな子供のかかりやすい病気や日々の健康に関する情報について、詳しく書かれた本を見つけました。
⇒【楽天ブックス】はじめてママ&パパの0〜6才病気とホームケア
病院に行くかどうか迷ったり、こんな時にはどうしたら?というような身近な疑問の解決に役立つ内容となっています。
また、私自身も愛読していますが子育て全般に関する「育児本」として、このシリーズが分かりやすくておススメです。
⇒【楽天ブックス】子育てハッピーアドバイス 明橋大二 著 / 太田知子 イラスト
文字ばかりではなく、可愛らしいイラストや4コマ漫画が随所にありますので、気軽に読み進めることができます。
ご自身で読まれる以外に、初めてお子さんが生まれたご家庭へのプレゼントとしても喜ばれることでしょう。
アワビの種類や栄養価については?
わが国では古来より食用や進物として珍重されてきたアワビですが、下記のような種類があります。
- クロアワビ
- メガイアワビ
- マダカアワビ
- エゾアワビ
- トコブシ
- ミミガイ
おせち料理などにも使われるトコブシもアワビの仲間になるそうです。
アワビの中でも高級とされるクロアワビは、三重県にある伊勢神宮に奉納されることでも有名ですね。
また、同じく三重県には妊婦さんが食べると『目が澄んでパッチリした赤ちゃんが生まれる』という言い伝えがあります。
これはアワビに含まれるタウリンという成分が、視力回復や網膜の形成・発達に良い影響を与えるためだそうです。
そういえばよくテレビでも「タウリン〇〇mg配合!」といった栄養ドリンクのCMを見かけることがあります。
他には肝臓や血圧の安定にも良いとされ、中国では薬用としても利用されているとのことです。
栄養成分的には良質なタンパク質に加えて
- ビタミンB12
- ビタミンK
- パントテン酸
- マグネシウム
- 鉄分
等が豊富に含まれています。
これでもう少し安価で手の届きやすい食材であれば、日常のメニューにも加えやすいのですが・・・。
まとめと私の体験談
このように今回はアワビの開始時期や、アレルギーに関することを調査してきました。
注意点が多少出てきましたので、ポイントだけでも押さえておきましょう。
それでは最後にまとめとなりますが
- 生後1歳を過ぎてからの方が無難
- 新鮮なものをしっかり加熱して
- 内臓部分は不向きなので「貝柱」を
- 最初は具抜きのスープ等から
- アレルギーが出やすい点にも注意
といったところでしょうか。
参考までに私の娘(1歳半)にも先日、親戚からの頂き物で作ったアワビ粥を試してみました。
柔らかく煮込んだアワビを細かく刻んで入れただけですが、娘は普通に完食でした。
気になる食後のアレルギーも大丈夫でしたので、またいつか機会があれば他のメニューにも挑戦してみたいと思います。
皆さんの赤ちゃんにも、美味しいアワビが問題なく食べられることを願っています!