毎年冬の時期になると、日本全国でほぼ決まって流行するのがインフルエンザです。
一旦かかると高熱が出て身体の節々が痛くなったり、咳やくしゃみ、嘔吐や下痢といった様々な症状に数日間悩まされることになります。
おまけにインフルエンザと診断された場合には、保育園や学校に加えて仕事にも行けなくなるという非常にやっかいな病気でもあります。
ただ、こんなインフルエンザにも予防接種があります。
あらかじめ受けておくことでかかりにくくなったり、もしかかったとしても症状が軽くて済むなどの効果が期待できます。
そしてやはり皆さん気になるのは、予防接種の費用に関することかと思われます。
- 何で病院によって料金が違ったりするの?
- 予防接種に定価や割引はないの?
- 予防接種を安く受けるコツは?
などなど・・・今日はこのインフルエンザの予防接種の料金について、私が調査してきたことを紹介したいと思います。
これからご自身で予防接種を受けられたり、小さな子供さんに受けさせようとお考えの親御さんの知識の足しになれば幸いです。
また、他にもインフルエンザの予防接種に関連した記事を紹介しておきます。
合わせて参考になればと思います。
目次
病院によって予防接種の料金が違うのはなぜ?
もともとインフルエンザの予防接種というのは「自由診療」で保険適用外となっています。
というのも、あくまでインフルエンザにかかりにくくするための「予防」であって、かかったあとの「治療」ではないからです。
そしてこの「自由診療」というのは医療機関側で原則自由に料金を設定しても良いことになっています。
つまりは国などから「○○円にしなさい」という定価設定のような指示もなく、極論を言えば1回100円でも1万円でも良いということになります。
もちろん予防接種のワクチンにもコスト(仕入れ金額)が発生しているため、料金設定による損益分岐点は存在します。
ワクチンを作っているメーカーも何社かある上に、中に入っている「防腐剤」の有無や仕入先との取引量でも仕入れ値が変わってきます。
各医療機関はこの「仕入れ値」に先生や看護師さんの人件費や、施設の光熱費・維持費などを乗せなくてはなりません。
参考までに、近年におけるインフルエンザの予防接種料金の全国平均を見てみましょう。
(金額は1回の接種あたり)
- 2013年・・・3,332円
(参考:2014年3月14日のマイナビニュースより引用) - 2014年・・・2,939円
(参考:2014年11月13日のヘルスケアニュースより引用) - 2015年・・・3,204円
(参考:2015年11月6日のQLifeのニュースリリースより引用)
というように年によって上下していますが、だいたい全国平均は1回3,000円前後でしょうか。
安い例では1回1,000円台から、高いところでは6,000円台までありました。
安い方なら良いですが、知らずに高い方で受けてしまうと大変ですね・・・。
料金を安く(高く)設定している主な理由とは?
それぞれの医療機関において、インフルエンザの予防接種の料金が違うことは分かりました。
しかしながら私自身、なぜこんなに料金に開きがあるのか気になりましたので、勤務先の看護師さんに聞いてみました。
その年配の看護師さんは、これまでいくつもの医療機関を経験してきたそうです。
結構意外な答えも返ってきましたので、参考までに紹介しておきます。
(この意見はあくまで1人の看護師さんの個人的見解も含まれているため、全ての病院がこうであるとは限りません)
まずは料金を安く設定しているのは
- 赤字でも予防接種で病院の知名度を上げたい
- 純粋に安価で多くの人に予防接種を受けて欲しい
- ワクチンを大量に仕入れているため安くで提供できる
などの理由からだそうです。
何にしても、安くで予防接種を受けられるのは良心的で嬉しいですね。
では反対に料金を高く設定している理由には
- 別に予防接種で来院して欲しい訳ではない
- 人件費や他のコストをそれなりに乗せている
- 患者さんの混雑を避けるため
といったものがあるそうです。
何となく「この高めの金額でも良ければ、どうぞおいで下さい」というやや上から目線のような意図が感じられますね。
このように人件費や他のコスト面のことを考えると、必然的に大きな総合病院などはどうしても高くなる傾向があります。
ちなみにインフルエンザに限らず、小さな子供のかかりやすい病気や日々の健康について知っておくと便利な情報が1冊の本にまとまりました。
⇒【楽天ブックス】はじめてママ&パパの0〜6才病気とホームケア
病院に行くかどうか迷ったり、こんな時にはどうしたら?というような身近な疑問の解決に役立つ内容となっています。
ご自身で読まれる他にも、初めてお子さんが出来たご家庭へのプレゼントとしても喜ばれることでしょう。
予防接種の料金に「割引」はあるの?
インフルエンザの予防接種料金はそれぞれの医療機関で決められるため、「割引制度」もないわけではありません。
私が調べた中には家族で受けると子供の分が少し安くなるという、まるで携帯電話の「家族割り」のような料金システムを導入している病院がありました。
それから旅行代金や映画の前売り券などのように、いわゆる「早割り」のような割引も存在するようです。
病院側にしてみても、インフルエンザの流行間近になってから「駆け込み接種」されるより早い時期から余裕を持って来院してもらいたいのでしょう。
自由診療ですので、「○月までに受けられる場合は○○円引き」のようなキャンペーンも可能だと思います。
それから13歳未満の子供は「2回接種」が好ましいとされているため、病院によってはこの2回目を1回目よりも安くしたりするところもあります。
統計上になりますが、上記のような「割引制度」は大きな総合病院ではあまり見られません。
どちらかというと小さめの病院や、診療所などでやっていることが多く患者さんの口コミで情報が広がるケースもあります。
また、予防接種を受けられる方が65歳以上であったり高齢者の場合には自治体からの補助が受けられて安くなる場合もあります。
お住まいの地域にそのような制度がないか、一度市町村の役所に問い合わせてみるのも良いでしょう。
子供と大人で値段が変わったりするの?
これも医療機関によってまちまちです。
インフルエンザの予防接種のワクチンの量は年齢によって違っていて、基本的に成人の方が乳幼児よりも多くの量のワクチンを注射してもらえます。
使われるワクチンの量が違うため、大人の方が子供よりも高い料金に設定されているところもあれば、大人も子供も同額というところもあります。
参考までに私の勤め先の病院では、2015年度は大人も子供(13歳未満のの2回目)も一律「2,800円」となっていました。
ちなみに上の項目でも少し触れましたが高齢者の方に限っては各地自体によって助成金や補助が出たりしますので、通常料金よりも安くなる傾向にあります。
(地域によっては無料~1,000円台という料金もあるそうです)
予防接種を安く済ませるコツとは?
では実際に、インフルエンザの予防接種を少しでも安く済ませるポイントを紹介します。
基本的には安い料金設定の医療機関で、さらにお得な割引制度があるならなお良いでしょう。
そのためにはやはり情報収集が必要となります。
具体的には
- 電話で実際に料金を問い合わせる
- ママ友さんたちの口コミ情報を利用する
- 保育園や幼稚園の保母さんに聞いてみる
- インターネットの検索を利用する
- 市役所や保健所にも問い合わせてみる
などが有効と思われます。
ただ、自分ひとりでたくさんの病院に電話をかけたりするのは結構大変です。
そこでおススメなのは、まず3~4件程度はご自身で値段設定などの情報を入手します。
その後はママ友や知り合いの方々のコミュニティで、情報交換するのが合理的で良いでしょう。
すると「A病院は高い、B診療所はお得な割引がある・・・」というような情報が集まってきます。
ついでにその病院や先生の評判なども分かってきますので、もしインフルエンザや他の病気にかかった時に駆け込む候補にもなります。
また、お手持ちのスマホやタブレットがあればGoogleで簡単に検索が可能です。
『お住まいの地域(都道府県や市町村名) インフル 予防接種 安い』・・・などのキーワードを入れて検索するだけで、近所で安い病院の一覧などが出てきます。
まとめと私の体験談
このように、今回はインフルエンザの予防接種の「料金」について徹底的に調べてみました。
私自身も知らなかったことがたくさん出てきたため、非常に勉強になりました。
では最後にまとめとなりますが
- 全国平均は1回約3,000円程度
- とにかく情報収集が大切
- 探せば安い所は意外と見つかる
- 大きな総合病院は高い場合が多い
- 「割引制度」をうまく利用する
といったところでしょうか。
例えば、1回の予防接種にかかる料金差が300円であったとします。
もし受けるのが乳幼児だったり13歳未満の場合には原則として2回の接種が必要です。
(300円×2回=600円)
さらに兄弟姉妹が2人、3人といるならそれぞれ2倍、3倍と金額が倍増します。
(600円×2人=1,200円)
(600円×3人=1,800円)
1回300円の違いでさえ、子供の年齢と人数によってはそこそこのランチ代くらいにはなってきます。
もしこの差が1回500円だったら?
はたまた800円だったら?
・・・などと考えると結構な差額が生まれてくるでしょう。
ちなみに最近ではワクチンの仕入れ準備等の関係で、「事前予約」が必要となる病院も増えています。
料金の問い合わせの際、ついでに予約が必要かどうかを聞いておくと便利です。
せっかくですので、安く賢くインフルエンザの予防接種を受けて、節約したお金で美味しいランチやスイーツを楽しむのも良いですね。