季節も夏から秋に移り、そろそろインフルエンザの予防接種の時期がやってきました。
そんな中で、こんな情報が耳に入ったりしていないでしょうか。
『卵アレルギーだとインフルエンザの予防接種に注意が必要らしい』
特に今回初めてワクチンを打たれる赤ちゃんや、小さなお子さんをお持ちの親御さんには気になることかと思われます。
それに関連して
- 卵アレルギーだと予防接種できないの?
- 何か検査のようなものは無いの?
- アナフィラキシーショックが出る場合も?
というような疑問や不安について、今日は徹底的に調査してきました!
毎日育児でお忙しい皆さんのためにも、お役に立てば幸いです。
また、インフルエンザの予防接種に関して他にも気になる点をまとめています。
合わせて参考になれば光栄です。
目次
卵アレルギーだとインフルエンザの予防接種が受けられない?
結論から先に言いますと、一概に全部ダメという訳ではありません。
私の勤務先におられる内科の先生に聞いたところ、ほとんどの場合は普通にワクチン接種が可能だそうです。
卵アレルギーにも個人差があり、軽度のものから重度のものまで様々なパターンが存在します。
私の友人に生卵ではアレルギーが出ますが、「茹で卵」や「オムレツ」にように加熱してあれば大丈夫という人がいます。
また別の友人の子供はクッキーやケーキなどの加工品でもダメで、卵の「完全除去」が必要となっています。
いずれにしても最終的な判断は医師が行いますので、卵アレルギーだからといってインフルエンザの予防接種がNGと早合点する必要はないとのことでした。
インフルエンザワクチンと卵との関係は?
これにはまず、現在我が国でのインフルエンザワクチンの製造過程において、鶏卵が使用されていることから説明します。
ちょっと専門的な話になりますが、孵化鶏卵(ふかけいらん)と呼ばれる受精卵の中でインフルエンザウィルスを育てて増やします。
この孵化鶏卵というのは私たちの食卓に並ぶ卵(一般的には無精卵)とは違い、発育すればヒヨコになる卵のことです。
だいたい1個の卵につき、私たち大人用のワクチン1人分が作られるそうです。
なぜワクチンの製造に卵が用いられるのかといいますと、やはり大量に入手が可能で比較的安価な点によります。
インフルエンザの予防接種自体が保険適用外の「自由診療」になっていますので、あまりにも製造コストがかかると接種する私たちの負担も大変です。
そして鶏卵を使用して製造する過程上、どうしても「ごく微量の卵成分」がワクチンの中に残ってしまいます。
それでもこの残留成分については、アメリカなどの諸外国のワクチンと比べてかなり少ない量だとされています。
余談になりますが、インフルエンザワクチンの他にも
- 麻疹(ましん)ワクチン
- 風疹(ふうしん)ワクチン
- おたふくかぜワクチン
などが同様に鶏卵を用いて製造されています。
微量とはいえ「卵成分」が含まれている点に留意しておきましょう。
ちなみにネットで色々調べているうちに、小さな子供のかかりやすい病気や日々の健康に関する情報が分かりやすく書かれた本を見つけました。
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重度の卵アレルギーの場合には?
上の項目で「ほとんどの場合には普通に接種が可能」と書きました。
我が国のインフルエンザワクチンの精製技術も向上してはいますが、中には予防接種によって卵アレルギーが出てしまうケースもあります。
アレルギーの症状としては代表的な蕁麻疹(じんましん)の他に、稀な例ですが
- 呼吸困難
- 喘息(ぜんそく)
- 意識消失
- 痙攣(けいれん)
- 血圧低下
といった重篤なアナフィラキシーショックが起こることも考えられます。
軽度・重度を問わずに卵でアレルギーが出ることが分かっている場合には、接種前の問診で先生に相談してみましょう。
電話での事前予約の際に、その旨を医療機関に伝えておく方法もあります。
それから念のため「卵」以外のアレルギーがある場合にも、先に申し出ておいた方が無難です。
一例としては
- 鶏肉
- ゼラチン
- 抗生物質
- チメロサール(防腐剤)
などは卵やワクチン成分に関連しています。
予防接種が可能かどうかを判断するには?
卵アレルギーは分かっているけども、実際にインフルエンザの予防接種を受けるのは不安・・・という方もおられると思います。
そんな場合には皮内(ひない)テストといって、事前に検査をすることも可能です。
このテストの方法としては、実際に予防接種で注射する量よりも少ない量(規定では0.02ml)を皮下に注入します。
そして一定時間後にあらわれた「発赤(ほっせき)」などの大きさにより、アレルギーの有無を検査・診断するというものです。
(参考:看護roo![カンゴルー]のホームページより引用)
後は先生の判断になりますが、親御さんにも十分な説明を行った上で接種するかどうかを決定します。
また、対処法として通常のワクチン量を分割して接種する方法などもあるそうです。
注意点として、皮内テストはどの医療機関でもすぐに行ってもらえるとは限りません。
予防接種の事前予約の際などに、一緒に問い合わせておくのが良いと思われます。
まとめと私の体験談
このように、今回は卵アレルギーでもインフルエンザの予防接種が受けられるかどうかを調べてきました。
私自身もこれまで勘違いをしていたこともあり、我ながら勉強になりました。
では最後にまとめとなりますが
- インフルエンザワクチンには微量の卵成分が含まれている
- 卵アレルギーでも多くの場合は接種が可能
- 稀にアナフィラキシーショックが起こる場合もある
- 心配な場合には皮内(ひない)テストの検討も
- 最終的にはママの希望と先生の判断による
といったところでしょうか。
参考までに私にも3歳と1歳の娘がいます。
幸いなことに2人とも、これまで卵やその他の食材でのアレルギーは見つかっていません。
ただ、中にはインフルエンザの予防接種の際に「卵アレルギーが判明」するというパターンもあるそうです。
もしお子さんに卵アレルギーがあったとしても、無事にワクチン接種が受けられてインフルエンザの予防になることを願っています!